肌は傷つけると痛いけれど、髪の毛は切っても痛くない。
その理由をご存じですか?もちろん肌は生きた細胞、髪の毛は死んだ細胞だから痛みがないのです。髪の毛は死んだ細胞ゆえに、自分では健康になれません。
頭皮には、髪の毛の製造工場、毛根がありまり、その下にある毛乳頭には、髪の素になる毛母細胞がどんどん細胞分裂して増えています。ところと点つきから出てくるところてんのように、増え続ける細胞は自動的に皮膚の外に押し上げられ、それが髪の毛となるのです。皮膚の上にでた時点でその細胞は死んでいます。
木や草は、芽が出て茎を伸ばし葉は増え花が咲き、と成長しますが、髪の毛はいったん外に出たら自分から変化はしません。肌はかぶれたり、痛みを発したり出来るけれど、髪の毛はいくら紫外線の光を浴びても、シャンプーのときに無理矢理ブラッシングしても、肌のように自己主張は出来ません。パーマやカラーでどんなに痛んでも、切れ毛、枝毛になっても「痛い」と悲鳴を上げることも出来なければ、自分の力で修復することも出来ない、可哀想な存在です。
ですから、一度痛んでしまったら、切るしか髪の毛を蘇らせる方法はないのです。つまり生えてきたときの美しさをなるべくキープすることが、ヘアケアの基本なのです。
だからこそ髪の毛はよくよくいたわってあげなければと考えて下さい。
そして、髪の毛が作られる部分、頭皮や毛根、つまり地肌を健康な状態に保つよう心がけます。どんなに栄養分たっぷりの肥料を使っても、土壌がやせていては植物は育ちません。髪の毛も同じ。どんなに高価なトリートメントを使っても、地肌が健康でなければ、生き生きした髪の毛は望めないのですから。
ドライヤーをかけるときも、必ず地肌からしっかり乾かすようにして下さい。地肌をよく乾かすと髪も乾きやすくなるのです。生きている部分をきちんとケアしてこそ、死んだ細胞の髪の毛も健康になるのではないでしょうか。ヘアケアの基本も「地肌」度と、まず心得て下さい。 |