てんしのひとみ | Best Production | ||
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1. | 「お」のつく語、「ご」のつく語 | 資格習得の近道無料体験プログラム資料請求 | ||||||||||||||||||||||||||||||
2. | 「お」「ご」を使いすぎない | |||||||||||||||||||||||||||||||
3. | 「お」「ご」をつけるもの | |||||||||||||||||||||||||||||||
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4. | 省けば省けるもの | |||||||||||||||||||||||||||||||
5. | 省いた方がよいもの、つけにくいもの | |||||||||||||||||||||||||||||||
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敬語と言いますと、すぐ頭に浮かぶのは、「お」や「ご」の使い方です。
何でも「お」や「ご」をつけると、美しい言葉や上品な言葉になると思い込んでいる人が多いのは確かです。
しかしどんな言葉でも、ただ無条件に「お」や「ご」をつければ、それでいいというものでもありません。つけていけないものがあるのです。つけていいものと、つけてはいけないものがあるのです。これをわきまえておかないと、とんでもない敬語になってしまいます。
どんなときに「お」や「ご」をつけたらよいのでしょうか。この章では、これを考えることにします。
敬意を表す形式は、名詞に接頭語「お」や「ご」をつけるのがもっとも代表的なものです。
一般に、和語には「お」がつき、漢語には「ご」がつくと言われています。次のような使い分けです。
お考え(ご意見)、お名前(ご氏名)お知らせ(ご通知)、おしかり(ご忠告)お教え(ご教示、ご指導)、お感じ(ご感想)、お気持ち(ご気分)、お話(ご挨拶)、お心遣い(ご配慮)、お力添え(ご協力)、お住まい(ご住所)、お尋ね(ご訪問)、お招き(ご招待)、お休み(ご就寝)、お勤め(ご勤務)、お疲れ(ご疲労)、お許し(ご許可)、おわかり(ご理解)、お仕事(ご商売)など
しかし、例外もありますので、和語的な言葉には「お」がつき、漢語的な言葉には「ご」がつくと言った方がよいかもしれません。次の場合、漢語でも「お」をつけます。
お教室、お稽古、お椅子、お化粧、お気分、お通夜、お玄関、お正月、お写真、お土産、お習字、お世話、お時間、お便所、お茶碗、お菓子、お達者、お元気、お加減、お徳用、お中元、お歳暮、お電話、お洗濯、お掃除、お勉強、お返事、お約束、お食事、お弁当、お洋服、お帽子、お野菜、お遊戯、お当番、お料理 など
特に、女性は「ご」よりも、「お」を使う傾向にあるようです。「ご通知」よりも「お通知」、「ご返事」よりもお返事、「ご電話」より「お電話などは日常ほとんど定着しています。
漢語で「お」のつく語は、どういう類の言葉か、その見極めは難しいですが、「お」のつく漢語は、上記のように日常生活の中にとけ込んでいる語になっています。
一方、和語で「ご」のつくものは滅多にありません。「ごゆっくり」「ごゆるり」などが数少ない例外として指摘されるくらいです。
「お帽子(靴)はどれですか」
「ご協力はありがたいのですが・・・」
「お便りありがとうございました」
「相変わらずお元気でご活躍のようですね」
「ご賛成の方は手を挙げて下さい」
「お父様のご病気は如何ですか」
「お忘れ物のないようにお気をつけ(になって)てください」
「ご機嫌はいかがでいらっしゃいますか」
相手や話題の人物に関することでなくて、自分の行為などに属することでも「お」や「ご」をつけることがあります。
「お礼を申し上げます」
「おかまいもしませんで、大変失礼いたしました」
「今日はお願いがあってまいりました」
「明日改めてお電話(お手紙)いたします」
「それでしたら私はご遠慮申し上げた方がよいと思います」
これらは、相手に関係して影響を与える言葉です。で円和にしても、手紙にしても、相手が見たり聞いたりすると言う意味で「お」や「ご」をつける慣習があります。このような言葉を謙譲語と考えてよいと思います。
話題の人物や相手に関係のない言葉でも、上品にしたり、美しくする言葉、つまり美化語や、丁寧語として「お」や「ご」を用いることがあります。女性の言葉には、これが特に多いようです。過剰になると、キザになりますが、適切に使うと、品のある、女性らしい、柔らかな言葉遣いになるものです。
「お酒はぜんぜんいただけませんの」
「お肉が、最近高くなりましたね」
「参考になるお話がたくさん載っているご本ですね」
「お料理の勉強会が開かれています」
形容詞や形容動詞に、接頭語の「お」「ご」をつけると、どの語に「お」「ご」がかかるかによって、それが尊敬語や謙譲語になったり、また丁寧語になったりします。
「今日は、特にお美しい。何かいいことでもあるのでしょう」
「随分背がお高いですね。どのくらいありますか」
「ウナギはお嫌いだとおっしゃいましたが、お魚は如何ですか」
「アルコール類はお強い方ですか」
以上は相手にかかる言葉ですから、「お」をつけて敬語化したものです。
「お見苦しい恰好で相済みません」
「お恥ずかしいところをお見せしまして、失礼いたしました」
自分の状態なのに「お」をつけるのは、やはり、相手に関係してくるからでしょう。謙譲語と考えてよいと思います。
次は、相手や自分に直接関わっていない言葉を「丁寧語」化したものです。
「このあたりは、とてもお静かですね」
「お寒い日ですね」
「最近、急にお賑やかになりましたね」
「お暑うございます」
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敬語でいつも問題になるのは、この「お」の氾濫です。不足よりも、使いすぎが多くて、不必要なものまでやたらに「お」をつける傾向にあります。そのなかでも、広告などのコマーシャルメッセージには、随分この手の込んだものがあります。
「お召し上がり方」「お使い方」「お入学用」「お話し合い」
これらは婦人団体などでよく使われていますが、話し合いとしてまとまった言葉として、私は「お」をつかない方がよいという立場をとっています。一般化されつつありますが、慣用的にそのまま使われている言葉に、何でも「お」をつけるのは滑稽です。話し手が一生懸命いい言葉遣いをしようとすればするほど、間違った言葉遣いになったとしたら、聴くほうはやりきれない悲しい気持ちになります。
「私、今日、おパーマをかけにいったのよ」
「おコールドをおつけになりませんと、おコジワがおできになります」
「お絵かきしてから、お外で遊びましょう」
幼稚園言葉という特殊な用語が使われているくらいですから、こんな言葉も平気なのでしょう。このような敬語過剰は、この世界では当たり前なのかもしれません。
「おテニスのお練習は終わりましたの」
「私、おケーキが大好きです」
あげればきりがありません。本当にたくさんのおかしな言葉が、私どもの身の回りには氾濫しています。
ある商人が顧客の出かけるのを見かけて、次のような挨拶をしたというのです。
「どちらへ、おレジャーでございますか」
こんな言葉を発した人には脅威を感じます。大体、外国語には「お」「ご」をつけないのが一般的な慣習です。
「ご一緒に始めましょう。お用意ドン」
これは、どんな人たちの運動会だったのでしょうか。走る方は吹き出してしまって、とてもかけっこになりそうもありません。
「次は○○駅でございます。お待たせしました。お忘れ物のないように、おソロソロお支度願います」
こうなりますと、敬語過剰もくるところまできた感じがします。新米車掌だったのでしょうか。「恐れ入りました」とこの強心臓に脱帽して、敬意を表す以外にありません。
◎ ◎ ◎
ところで、「お」「ご」がついて、その言葉がはっきりするものもあります。そのときは「お」「ご」を抜いてしまっては意味が通じません。
地方から出てきたあるお手伝いさんが、
「あなた、やたらと「お」をつけるものじゃありませんよ」
と奥さんに注意されたので、明くる朝、
「奥様、私、なかが痛いので、今日は休ませて下さい」
と言ったそうです。これはだいぶ前に聞いた話です。
「お腹」の「お」をとったら、どんな意味なのか分かるまで時間がかかるでしょう。
「はん(飯)だけではどうも」
「やっぱり、かずがないとね」
こんな会話が交わされたとしたらどうなりますか。本当に日本語だろうか、と疑う人がいるかもしれません。
おはよう、おかしみ、おべっか、おてんば、おませ、お陰、おつむ、オタマジャクシ、おしろい、お袋、おやつ、お巡りさん、おこわ、おでん、ごちそうさま、ご苦労さん。
このような言葉は「お」「後」がないと、正しい意味に受け取ってもらえません。「お」「ご」がついて、一つのまとまった意味を表す言葉になっているからです。
次の言葉も、敬語としての接頭語の「お」「ご」ではありません。
おかみ、おくさま、ごぼう(牛蒡)、おっと、おやじ、ごくつぶし、お手数、おまえ、おもて、おとこ
ごぼうの「ご」をとったら、竹の棒か、木の棒かわからなくなります。「ごぼう」以外の他の言葉も当然のことですが、「お」で始まる名詞ですから「お」をとったのでは言葉自体が変わってしまいます。
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「お」「ご」はどんなときにつけるのか、それには基準があります。
1.相手の物事を表すもの |
これを言い換えると、「あなたの・・・」という意味になります。
「お考えをうかがいたいのですが」
「おからだのぐあいはいかがですか」
「お帽子はこれですか」
「お荷物はこれだけですか、私がお運びします」
「部長、お靴はこちらでしょうか」
「ご高配をいただきまして、ありがとうございます」
2.真に尊敬の意を表すもの |
「社長のお話にありましたように・・・」
「部長もご出席ということです」
「課長のお考えはどうですか」
「全員のご協力をいただきまして・・・」
3.慣用が固定しているもの |
おはよう、おやすみなさい、ご苦労様、おみこし、おみくじ、おじぎ、おかず、ご馳走、ごはん、おはぎ、お世話さま、おしんこ、おでん、おたまじゃくし、お手洗い、「お「ご」・・・になる」の形式すべて
この他、慣用が固定しているものとして、自分のことであるが相手に関係しているものには「お」「ご」をつけます。
「お知らせいたします」
「お答えいたします」
「お願い申し上げます」
「お返事(ご返事、お手紙)を差し上げます」
「ご報告(ご遠慮、お礼、お願い)いたします」
慣用的な言い方で接頭語と接尾語の両方が用いられるものもあります。
お兄様、ご主人、おじいさん、ご両親さま、お父上様、お姉さん、お客様、おかあさま、お姑さん
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一般的には、女性の言葉としては「お」がつくが、男性の言葉としては省いて言えるもの、飲み物、食べ物類には、この種の言葉が多いようです。
おねぎ、おいも、お菓子、おだんご、お飲み物、おつゆ、おすし、おしるこ、おそば、お米、お魚、おまんじゅう、お野菜、お酒、お肉、お豆腐、おたくあん
食べ物、飲み物以外にも次のような言葉があります。
お盆、お線香、お時間、お祈り、お手伝い、お花、ご専門、お写真、お昼、お城、お寺、お皿、お見合い、お二回、お彼岸、お友達、お教室、ご旅行、お結婚、お愛想、お会計、お原稿、お三時、お葬式、お道具、お名刺、お徳用、ご注意、ご到着、ご用件、ご説明、岡属、ご厚意、お眼鏡、ご案内、ご質問、ご利用、御注文、ご休憩、ご宿泊、ご批判、ご乗車
省く方がよいもの、また、慣習的につけにくいものがあります。次のような言葉です。
1.外来語で「お」をつけにくい言葉 |
おコップ、おパーマ、おジュース、おサイダー、おトイレ、おマヨネーズ、おフルーツ、おニュース、おケーキ、おピアノ、おピース、おペーパー、おスープ、おカット、おソーセージ、おケチャップ、おバスケット、おノート、おテキスト、おポスト、おバッジ、おボタン、おシャツ、おコーヒー、おコーラ、おナイフ、おオルガン、おジョッキ、おペン、おインキ、おイミテーション、おネクタイ、おメモ
2.「お」をつける習慣のない言葉 |
おにんじん、おれんこん、おごぼう、おたまねぎ、おなっぱ、おさんま、おふな、おたばこ、お下ばき、
おげた、お腰掛け、お絵かき、お肌、お鉛筆、お時計、お電球、お奈良漬け、おはさみ、おリンゴ、お紅茶、お靴下、おtあい、おいわし、お電卓、お鯉
3.社会語で「お」をつける慣習のない言葉 |
お会場、お場所、お会社、お新聞、お手帳、お教科書、お聖書、お税金、お預金、お利息、お演歌、お雑誌、お家事、お貯金、お自動車、お経団連、お宝石、お百日紅
4.公共の建物や施設に関する言葉 |
お学校、お幼稚園、お病院、お教会、お公園、お列車、お電車、おバス、お都庁、お区役所、お県庁、お市役所、お大学
5.すでに敬意を表している言葉 |
ご新郎、ご新婦、ご婦人、ご令息、ご父兄、ご令夫人、ご芳名、ご調査された、ご卒業された、お召し上がる
6.「お」で始まる言葉 |
お応接間、お大広間、お大家さん、お奥様、、お大通り、おおしろい、おおばさま、お男物、お大麦、お大目玉、お恩師、おおとぎ話、お乙女、お尾頭付き、お卸、お横断、お王座、お幼友達、お汚職、お汚染、おおじさん、お大波、お大勢、お奥座敷、お幼なじみ、お織物、お重荷、お親方、お置き時計
7.よい意味でない言葉 |
おふざけ、お間抜け、おツラ、おとんま、お横着、おあばた、おけつ、お横領、おアホウ、お若造、おかかあ、おぼうず、おじじい、おまわり、お痴漢、おスネ、おガキ、お強盗、お下劣、おヒス、おごみ、お雑巾、お人殺し、おでしゃばり、お青二才、お筆無精、お田舎者、お団子鼻、お白痴、お暗殺、お悪党、お赤恥、お尻拭い、お悪妻、お後腐れ、お悪質、お悪名、おとちり、おほざき、おきたない、おくたばり
8.一音節でつけにくい言葉 |
お歯、お背、お見、お蚊、お矢、お戸、お名、お田、お根、お子、お手、お絵、お毛、お葉、お日、お実、お輪、
しかし一音節でも、熟語や句になったり、文になると成り立つものもあります。例えば次のような言葉です。
「お手をどうぞ」
「お日さま」
「お目が高いですね」
「お子さま方に差し上げます」
9.「あ」で始まるものでつけにくい言葉 |
「お相手」「お愛嬌」「お足元」など、「あ」で始まる言葉でも、「お」がつく言葉もありますが、一般的に「あ」で始まる言葉には「お」がつけにくいといわれています。
お哀歌、お哀歓、お相棒、お空き缶、お朝顔、お朝日、お足跡、お味加減、お足首、お朝寝、おあかぎれ、お朝ご飯、お足腰、お足場、お預り金、お頭打ち、お厚手、お後味、お後足、お後書き、お後始末、お兄嫁、お穴埋め、お脂性、お油絵、お海女、お雨傘、お編み物、お雨模様、お荒稼ぎ、お荒削り、お荒波、お暗記、お案件、お暗合、お頭、お油紙、おあす、お空き地、お飴、お愛煙家、お愛妻、お愛嬢、お小豆、お安全、お足、お頭
10.病気の名前でつけにくい言葉 |
おガン、お胃潰瘍、おエイズ、お中風、お脳梗塞、お目眩、お頭痛、お骨折、お出血、おはきけ、お便秘、お脚気、お充血、お喀血、お色盲、お腹痛、お寒気、おボケ、お死になる
これにも「お風邪」のように例外はあります。
11.動物や植物、自然現象などでつけにくい言葉 |
お犬、お猫、お象、おキリン、お虎、おライオン、おワニ、おめじろ、お鳩、おくじら、おさくら、おききょう、おゆり、おばら、おうめ、おらん、お杉、お松、おけやき、お竹、お晴天、お南(北)、お台風、お暴風、おそよ風、お高山植物、お温度、お曇り日
これにも「お天気」など「お」をつける言葉もあります。
12.長くてつけにくい言葉 |
最近では、「お話し合い」という人が多くなりましたが、「話し合い」の方が話しやすいし、聞きやすいと考えています。
一般的に、比較的長い言葉、熟語化された言葉にはつけにくいといわれています。
お書きもの、お多生の縁、お食料品、お女丈夫、お意匠権、お遺失物、お一意専心、お一夜漬け、お社内報、お正札付き、おさつまいも、おじゃがいも、おほうれん草
以上は、大体の傾向を示したものです。例外もあります。外国語でも、「おズボン」「おソース」という人が多くなりました。「おビール」はレストランや飲み屋などの営業用としては、かなり普及しています。
長い言葉に「お」をつけるときには、略した言い方をするものもあります。「ジャガイモ」を「おじゃが」、「サツマイモ」を「おサツ」と言うこともあります。
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